思考実験とD.I.Y.

D.I.Y and Gedankenexperiment

【Windows/VirtualBox】MBRなWin10仮想マシンをWin11にアップグレード

既に、Windows10のサポートが終了してからの投稿になってしまいましたが、VirtualBoxに移動して仮想マシン(WM)化したWindows10(Win10)なマシンを、何とかWindows11(Win11)にアップグレードする事ができました。【注*1

  • 小生の健忘禄、兼作業記録になっていますことをお詫び申し上げます🙇‍♂️
  • 本稿での方法は、アップグレード前のWindows10を残しておくためにアップグレードしたVM用に新規ライセンスキーがあることが、基本的に前提の方法になります。

1. Win10/VMのWin11互換性確認

Microsoftの「PC正常性チェック」アプリで確認してみます。

Win11へのアップグレード可否は不可と出ます。

セキュアブートに対応していない原因は明白で、VM化した際、もともとMBR だったハードディスクをそのまま仮想ディスク(VDI)にしたため、GPTではなくMBRである事が原因です。

TPM2.0の問題はVMの設定で、TPM2.0を無効にしている事に起因しているので、VDIをGPT化さえすれば、TPM2.0を有効にできます

その他のハード的な問題はなく、VDIをGPTに、環境を維持したまま変換できれば、Windows11へのアップグレードは出来そうです。

2. vdi⇔vhdMBRをGPT化

(1)vdiをvhdに変換
user@ubuntu:~$  VBoxManage -nologo internalcommands sethduuid win10mbr.vdi ; vdiファイルのUUIDを変更しておかないとVHDへの変換に失敗する。
user@ubuntu:~$  VBoxManage clonehd --format VHD win10mbr.vdi converted.vhd ; VHDへ変換。
vdiファイルのUUIDを変更してから VHDへ変換します。
2)mbr2gptで変換(*2

まず、Ubuntu24.04上でVHDに変換したファイルをWin11/Win10パソコンにコピーしておきます。

ナビゲーション
(Windows10/11)
スタートアイコン右クリック
ディスクの管理操作
ディスクの管理でVHDディスクファイルを接続します。
コピーしたVHDディスクファイルを選択します。

コマンドプロンプト”管理者モード”で起動します。

"/validate"オプションと”/AllowFullOS”オプションを付けて、GPTに変換できるかを確認します。
"/convert"オプションと”/AllowFullOS”オプションを付けて、GPT に変換します。

GPTへの変換が終わったら必ずVHDディスクの接続を解除しておきます。

3)vhdをvdiに変換
GPT化した、VHDファイルをVirtualBox専用機にコピーします。
user@ubuntu:~$  VBoxManage -nologo internalcommands sethduuid Backup/win10mbr..vhd ; まずは、VHDファイルのUUID変更
user@ubuntu:~$  VBoxManage clonehd --format VDIwin10-gpt.vhd win10-gpt.vdi ; VHDをVDIに変換。
今度は”--format VDI”オプションで、VHDファイルをVDIファイルに変換します。

3. 新規VMを作成

1)VMを作成

コピーしたGPTなVIDファイルを使って、新規VMを作成します。

仮想マシン】タブから【新規】を選択します。
「名前」を設定し、【次へ】をクリックします。
【すでにある仮想ハードディスクファイルを使用する】のラジオボタンをクリックします。
ディスクとして、GPT化したVDIファイルを選択します。
モリーはUbuntu24.04にそれなりに積んでいるので、今回は、16Gbyte(16,385MB)を割りあて、CPUは4つを割り当てます。
VDIファイルの選択を終えたら、【次をへ】をクリックします。
最後に設定を確認して、【完了】をクリックします。
2)VMの設定変更
そのままでは、VMは起動しませんので、設定を変更しておきます。
新規作成したVMの設定から、システムを選び、TPMを”2.0”に、”EFIを有効化”に☑を入れて、設定を変更します。

リモートデスクトップ接続をすぐに使えるようにするために、ネットワークアダプタNATからブリッジアダプタに変更しておきます。

3)VMの起動確認

オリジナル(MBRなWin10)のVMが起動していないことを確認してから、新規VMを起動させます(*3)。

UEFIのメッセージが表示され、くるくる回る絵が表示されれば、ローダーが読み込まれています。
ディスクのUUIDが変わったほか、MBRからGPTに変わったため、デバイスの準備に関するメッセージが表示されます。
ログオン画面が表示されれば、GPT化したVDIディスクでの起動は成功です。

4. Windows11へのアップグレード

Win10のアクティベーションが完了していれば、”Windows Update”もしくは、”Windows 11インストールアシスタント”でアップグレード可能です。

この段階ではアクティベーションが完了していないため、要件を満たしているかの判定が行われません

このため、強制的にアップグレードを行ってしまいます。

1)Win11 ISOイメージの入手

マイクロソフトのダウンロードページから、”Win11インストールISOイメージ”をダウンロードし、VirtualBoxのVMsフォルダ等にコピーしておきます。

2)ISOイメージのマウント
VirtualBoxの設定からストレージをえらび、ダウンロードした”Win11インストールISOイメージ”を追加します。
3)Win11のインストール
VMを起動し、Win10なVM上のエクスプローラーで確認すると、”Win11インストールディスク”がCDドライブとして認識されます。

cdromドライブ内の「setup.exe」を実行し、インストールを始めます。

変更を加えてよいか聞かれるので【はい】をクリック。
セットアップの準備が始まります。
更新プログラムをダウンロードする聞かれるので【次へ】をクリック。
更新プログラムのダウンロードが始まる。
ダウンロードにかなり時間を要した後、PCのチェックが始まる。
ライセンス条項に同意するか聞かれるので、【同意する】をクリック。
再び、更新プログラムのダウンロードが始まる。
インストールの準備が完了する。この時、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」にチェックが入っていることを確認する。
入っていない場合には「引き継ぐものを変更」をクリックして、引き継ぐように設定する。

 

「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」になっていることを確認したら、【インストール】をクリック。

Windows11のインストールが始まる。
途中で更新プログラムのダウンロードなどが行われる。
ログオン画面が表示されれば、Win11へのアップグレードは基本的に完了。
ログオンを行うと、Win11の最終設定が行われる。
Windows11のデスクトップが表示されれば、アップグレードは完了。

Win11へのアップグレードが完了したら、一旦、システムをシャッドダウンします

4)Win11インストールメディアの除去
VirtualBoxの設定からストレージをえらび、ダウンロードした”Win11インストールISOイメージ”を除去します。
5)アクティベーション

今回のやり方では、VDIのUUIDを変更しているので、機械を丸ごと交換したとみなされてしまいます。

デジタル認証を行おうとしても、”別のデバイスに割り当てられています”と表示されてしまい、アクティベーションは完了しません
(1)デジタル認証

Windows10を残さない場合には、元のWindows10なVMを除去、もしくは今後、VMを一切起動しなければ、しばらくするとライセンスが認証される場合もあるかもしれません*4)。

確実なのはMicorosoftのサポート窓口に連絡して、ハードウエアを変更した旨を伝えて、デジタル認証を受ける必要があります

(2)ライセンスキー変更

今回は、アップグレード前のWindows10を残しておくために、アップグレードしたVM用にライセンスを新規購入しました。

<

プロダクトキーキーを新規購入したものに変更します。。
アクティベーションが完了しました。

5. VMMBRをGPTに出来なかった方法

データを失わずに、mbrをgptへ変換する方法を検討したけど、うまくいかなかった方法。

(1.)VMなWindows10上でmbr2gptを使ってみる

”/validate”オプションを付けて確認するとできませんと叱られます。

(2)フリーソフト使ってみる

ググるmbrをgptに変換できるソフトはかなりヒットしまし、”おすすめソフト”とったタイトルの物もかなり出てきます。

幾つかのサイトのページを見ると、mbrをgptへデータを失わずにできる機能が紹介されています。

表現としては、無償でmbrをgptに変換できるような書き方がされていますが、。

実際にインストールして使ってみると、mbrをgptに変換しようとすると、費用を要求されます。

質の悪いことに、幾つかのソフトは、インストールするとCMがポップアップしてくるようになってしまいます。

さらにいくつかはアンインストールしても、CMのポップアップが続きます。

しょうがないので、VMのスナップショット機能を活用して、インストール前の状態に幾度となく、ロールバック

”フリー”のキャッチコピーには要注意ですね。

(3) HD革命を使ってみる

HDDケースを購入した際に付属していた”HD革命”を試してみます。

途中で、”GPTにすると起動できなくなる可能性があります。”と表示されますが、構わず、変換してみました。

結局、ブートに失敗するので、Windows10のインストールディスクを使って、スタートアップ修復を試みましたが、修復できず、起動には至りませんでした。

(4)Gpartedを使ってみる

1.)isoイメージのダウンロード

公式ページからisoイメージファイルをダウンロード。

2.)Gparted Live仮想マシンの作成

isoイメージファイルを使って、Gparted Live仮想マシンを作成してみました。

メニューにmbrをgptに変換できる機能は表示されません。

改めて調べると、データを失わずにmbrをgptへ変換できる機能はGparted にはないみたいです。

(5)Windows11上でmbr2gptを実行

まっさらなWindows11なVMを別途用意して、Win10なVMのディスクに対して、mbr2gptを実行。

windows11の回復コンソールを起動して、コマンドプロンプトからmbr2gptを実行。

やはり変換に失敗します。

 

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 IT技術ブログへ

出典・引用・備考

*1:この投稿の内容は、特定の機種並びに特定の環境での確認結果になります。
同等機種や異なる環境での動作他を保証するものではありませんので、ご留意いただけます様お願いいたします。

*2:今回は、物理的なWin11上で行っていますが、VMなWin10上でも変換可能かもしれません。

*3:同時に起動させると、ライセンス違反になると思われます。
また、この段階では、どちらも同じIPアドレスになっていますので、トラブルのもとになります。

*4:Win10なコンピューターをVM化した際に、最初は認証されませんでしたが、立て込んでいたため、電話連絡を後回しにしていたところ、いつの間にか、認証されていたことがあったというだけの話ですので、必ずしも、デジタル認証され、アクティベーションが完了するわけではありません