思考実験とD.I.Y.

D.I.Y and Gedankenexperiment

【Ubuntu24.04】手持ちのパーツで、VirtualBox専用マシンを作る(4):CPUクーラーの換装

1.冷却機能の致命的な欠陥

組みあがった写真をご覧になると気づく方は多いと思いますが、このマシン、CPUの冷却機能に致命的な欠陥があります。

組み上げた時から気が付いていたのですが、このCPUクーラー、上方排気タイプです。

ケースはロープロファイルですので、このままケースを閉じると、ヒートシンクからの除去熱エアフローの行き場がなくなり、CPUの冷却ができなくなります。

ケースを閉じる前に、CPUの冷却対策が必要です。

2.CPU冷却方法の検討

各種メーカー製パソコン/サーバーで使われる手法は、小生の知る限り3つほどあります。

  1. ケース前面にファンを置き、ダクトでエアフローを整え、効率的にCPUのヒートシンク冷風を当てて冷却する方法。
  2. ケース後方にファンを置き、CPUのヒートシンクの発熱をダクトで吸引して、ケース外に排気する方法。
  3. ブロアファンを用いて、縦方向のエアフローを、水平方向に排気して、除去熱を排気する方法。

どの方法が最も効率的かを考えてみます👨‍🏫。

CPUクーラーをよくよく観察すると、ヒートシンクの形状は中心から放射状になっていますので、周囲から空気を吸い込み、中心方向に排熱をするタイプのCPUクーラーです。

このため、a.b.の方法だと、適切にエアフローがヒートシンク全体を通らず、除熱性能が落ちる可能性が高いと考えられます。このため、ヒートシンク自体も交換する必要が出るうえ、アルミ板でのダクトを作成するのも、結構な手間がかかります。

そこで、今回は、c.の方法を選択することにしました。

3.ブロアファンの選定

CPUクーラー用に使える4pinタイプのブロアファンを探しましたが、あまりありません*1。見つけたのは、こちら。

同じメーカの同じものが、800円程安く売っていますが、中国本土からの出荷のようで、納品までかなり時間がかかりそうでした。

上記製品は、Amazonのロジスティックスセンターにストックがあるようで、翌日配送可の商品でした。800円高くつきますが、今回は早く入手したいので、ストックのある方を選択しました。

基本的にこのマシンには、お金を掛けたくなかったのですが、仮に、今回のマザーボード(M/B)を交換することになっても、ブラシレスですし、流用可能&長持ちしそうなパーツですので、新規入手しました。

4.ブロアファンマウンターの検討と加工

まずは、CPUクーラーから古いファンを取り外します。

元々、ケース外部へ排熱するための整流用パーツがファンについていたので、ファンと整流用パーツを分解します。

この、分解した整流用パーツを加工して、ブロアファンのマウント用パーツに流用します。*2

ブロアファンとマウントの合計高さをノギスで計測すると、厚さ47.5mm。

ヒートシンク側とケース上面の高さをL定規で確認すると、約45mm。

そのままでは、ケースの蓋が閉まらないので、マウントに小加工を加えます。

また、整流用パーツとファンとでは、組立用のネジ用耳部分の大きさに差がありますので、この部分もカットしてサイズ合わせをしないとマウントパーツとしてヒートシンクに固定することができません。

整流用パーツのネジ用耳部分にマスキングテープを張り、整流用パーツとファンをネジ2か所止めにて仮組します。

ファンの耳よりも大きい部分にマジックでカットすべき部分をマーキングします。

整流用パーツとファンを一旦、分解し、バイスに固定し、糸鋸で大雑把に不要部分をカットします。

再度、整流用パーツとファンをネジ2か所止めにて仮組します。

現物合わせで、ファンからはみ出している部分をやすりで削ります。*3

整流用パーツとファンを再度、分解し、整流用パーツをCPUヒートシンクに取り付けます。

整流用パーツの上に、ブロアファンを載せ、カットすべき、ブロア吹き出し部分と取り付けネジ部分*4をマーキングします。

整流用パーツをCPUヒートシンクから取り外し、5mm分*5高さを下げるために、不要部分を糸鋸でカットします*6

ブロアファンの取り付け部のでっぱり部分についても、糸鋸でカットし、切断面を平やすりでほぼ平滑に仕上げます。

CPUのヒートシンクの上に仮置きして、ケース内に収まるかを確認します。

およそ2mm程度、ケース上端から余裕がありますので、ケースに収まるはずです。一応、念のため、上蓋を載せてみて、ケースが閉まるかも確認しておきます。

まずは、ブロアファンの取り付けネジ部分に、切り出した適当な大きさなのt0.5*7のアルミメッシュを、オリジナルのファンと整流パーツを固定していたネジで取り付けます。

次いで、アルミメッシュを90°折り曲げ、加工済みのマウンターに載せます。

はみ出した、アルミメッシュは切り取り、アルミメッシュの穴を活用してタッピングビスでマウンターに固定します。

出来上がったブロアファンユニットを組み入れ、CPUクーラーの換装は完了です😄。

休み休み作業していましたが、結局、ほぼ1日がかりの作業になってしまいました🤷‍♂️。

5.CPUファンの動作確認

(1)ツールのインストール

動作確認は見ればわかるのですが、回転数なども確認したいので、Ubuntuにハードウエアモニターツールを入れ、確認したいと思います。

”System Profiler and Benchmark”というツールを使います。

$ sudo apt install hardinfo    

インストールが完了すると、Show Appsに”System Profiler and Benchmark”といアイコンが現れます。

(2)CPUファンの動作確認

”System Profiler and Benchmark”を起動すると、色々な情報が得られます。

今回は、「Device」の「Sensors」でCPUファンの状態を確認します。

順調にファンは回っているようです。

あれ😵。fan1以外が0.00RPMになっている😵

ケースファンは?🥴

内部HDDベイに隠れているケースファンを確認したら、死んでいる😰。

確か、ストック*8にケース用のファンがあったはずなので、探して、交換したいと思います。

が、今日はもう疲れたので、明日にします。

【次回に続く】

 

*1:5Vタイプや3pinタイプは結構見つかるのですが、12V用は2pinタイプがほとんどでした。

*2:残ったファンは何かに使えるかもしれないので、ジャンクボックスにて保管。興味ない人からすると単なるゴミにしか見えませんが。

*3:細かい削りカスが出るときには、使用済み歯ブラシが結構重宝します。

*4:こちらは仮のマーキング

*5:差は約2.5mmですが、多少の余裕を持たせるために、切取り部分を5mmにしました。

*6:糸鋸で切る前に、適当な間隔で1.5mmのドリルにて穴を開け、縦方向に切り込みを入れておくと、作業が楽です。

*7:別にt1.0でもよいのですが、手元にあったのがt0.5のものだっただけです。あと、加工も楽ですし😅。

*8:と言ってもジャンクボックスの中ですが