1.冷却機能の致命的な欠陥
組みあがった写真をご覧になると気づく方は多いと思いますが、このマシン、CPUの冷却機能に致命的な欠陥があります。
組み上げた時から気が付いていたのですが、このCPUクーラー、上方排気タイプです。
ケースはロープロファイルですので、このままケースを閉じると、ヒートシンクからの除去熱エアフローの行き場がなくなり、CPUの冷却ができなくなります。
ケースを閉じる前に、CPUの冷却対策が必要です。
2.CPU冷却方法の検討
各種メーカー製パソコン/サーバーで使われる手法は、小生の知る限り3つほどあります。
- ケース前面にファンを置き、ダクトでエアフローを整え、効率的にCPUのヒートシンク冷風を当てて冷却する方法。
- ケース後方にファンを置き、CPUのヒートシンクの発熱をダクトで吸引して、ケース外に排気する方法。
- ブロアファンを用いて、縦方向のエアフローを、水平方向に排気して、除去熱を排気する方法。
どの方法が最も効率的かを考えてみます👨🏫。
CPUクーラーをよくよく観察すると、ヒートシンクの形状は中心から放射状になっていますので、周囲から空気を吸い込み、中心方向に排熱をするタイプのCPUクーラーです。
このため、a.やb.の方法だと、適切にエアフローがヒートシンク全体を通らず、除熱性能が落ちる可能性が高いと考えられます。このため、ヒートシンク自体も交換する必要が出るうえ、アルミ板でのダクトを作成するのも、結構な手間がかかります。
そこで、今回は、c.の方法を選択することにしました。
3.ブロアファンの選定
CPUクーラー用に使える4pinタイプのブロアファンを探しましたが、あまりありません*1。見つけたのは、こちら。
同じメーカの同じものが、800円程安く売っていますが、中国本土からの出荷のようで、納品までかなり時間がかかりそうでした。
上記製品は、Amazonのロジスティックスセンターにストックがあるようで、翌日配送可の商品でした。800円高くつきますが、今回は早く入手したいので、ストックのある方を選択しました。
基本的にこのマシンには、お金を掛けたくなかったのですが、仮に、今回のマザーボード(M/B)を交換することになっても、ブラシレスですし、流用可能&長持ちしそうなパーツですので、新規入手しました。
4.ブロアファンマウンターの検討と加工
まずは、CPUクーラーから古いファンを取り外します。
元々、ケース外部へ排熱するための整流用パーツがファンについていたので、ファンと整流用パーツを分解します。
この、分解した整流用パーツを加工して、ブロアファンのマウント用パーツに流用します。*2
ブロアファンとマウントの合計高さをノギスで計測すると、厚さ47.5mm。
ヒートシンク側とケース上面の高さをL定規で確認すると、約45mm。
そのままでは、ケースの蓋が閉まらないので、マウントに小加工を加えます。
また、整流用パーツとファンとでは、組立用のネジ用耳部分の大きさに差がありますので、この部分もカットしてサイズ合わせをしないとマウントパーツとしてヒートシンクに固定することができません。
整流用パーツのネジ用耳部分にマスキングテープを張り、整流用パーツとファンをネジ2か所止めにて仮組します。
ファンの耳よりも大きい部分にマジックでカットすべき部分をマーキングします。
整流用パーツとファンを一旦、分解し、バイスに固定し、糸鋸で大雑把に不要部分をカットします。
再度、整流用パーツとファンをネジ2か所止めにて仮組します。
現物合わせで、ファンからはみ出している部分をやすりで削ります。*3
整流用パーツとファンを再度、分解し、整流用パーツをCPUヒートシンクに取り付けます。
ブロアファンの取り付け部のでっぱり部分についても、糸鋸でカットし、切断面を平やすりでほぼ平滑に仕上げます。
CPUのヒートシンクの上に仮置きして、ケース内に収まるかを確認します。
およそ2mm程度、ケース上端から余裕がありますので、ケースに収まるはずです。一応、念のため、上蓋を載せてみて、ケースが閉まるかも確認しておきます。
まずは、ブロアファンの取り付けネジ部分に、切り出した適当な大きさなのt0.5*7のアルミメッシュを、オリジナルのファンと整流パーツを固定していたネジで取り付けます。
次いで、アルミメッシュを90°折り曲げ、加工済みのマウンターに載せます。
はみ出した、アルミメッシュは切り取り、アルミメッシュの穴を活用してタッピングビスでマウンターに固定します。
出来上がったブロアファンユニットを組み入れ、CPUクーラーの換装は完了です😄。
休み休み作業していましたが、結局、ほぼ1日がかりの作業になってしまいました🤷♂️。
5.CPUファンの動作確認
(1)ツールのインストール
動作確認は見ればわかるのですが、回転数なども確認したいので、Ubuntuにハードウエアモニターツールを入れ、確認したいと思います。
”System Profiler and Benchmark”というツールを使います。
$ sudo apt install hardinfo |
インストールが完了すると、Show Appsに”System Profiler and Benchmark”といアイコンが現れます。
(2)CPUファンの動作確認
”System Profiler and Benchmark”を起動すると、色々な情報が得られます。
今回は、「Device」の「Sensors」でCPUファンの状態を確認します。
順調にファンは回っているようです。
あれ😵。fan1以外が0.00RPMになっている😵。
ケースファンは?🥴
内部HDDベイに隠れているケースファンを確認したら、死んでいる😰。
確か、ストック*8にケース用のファンがあったはずなので、探して、交換したいと思います。
が、今日はもう疲れたので、明日にします。
*1:5Vタイプや3pinタイプは結構見つかるのですが、12V用は2pinタイプがほとんどでした。
*2:残ったファンは何かに使えるかもしれないので、ジャンクボックスにて保管。興味ない人からすると単なるゴミにしか見えませんが。
*3:細かい削りカスが出るときには、使用済み歯ブラシが結構重宝します。
*4:こちらは仮のマーキング
*5:差は約2.5mmですが、多少の余裕を持たせるために、切取り部分を5mmにしました。
*6:糸鋸で切る前に、適当な間隔で1.5mmのドリルにて穴を開け、縦方向に切り込みを入れておくと、作業が楽です。
*7:別にt1.0でもよいのですが、手元にあったのがt0.5のものだっただけです。あと、加工も楽ですし😅。
*8:と言ってもジャンクボックスの中ですが