組み立て式レイアウトでは、KATOユニトラックを基本的に使うものの、どうしても、KATOユニトラックにはない、半径やポイントなどが必要になる。
そこで、KATOユニトラックと篠原Code8370フレキシブルレールとの接続方法を考える必要がある。
ついでに、インライン枕木の試作検討も行う。
1.採寸
KATOユニトラックと篠原Code8370フレキシブルレールの採寸を行う。
(1)KATOユニトラック
(2)篠原Code8370PC枕木フレキ
2.接続方法検討
(1)採寸結果の確認
レール上首の幅に差はあるが、レール上首の間隔(ゲージ)は、17.0mm(*1)で、全く一緒(*2)。
レールの下首は、KATO製が1.50mm、篠原製が2.2mmで、篠原製の方が幅広。
レール高さは、KATO製が2.20mm、篠原製が2.25mmで、でほぼ一緒。
(2)接続方法の第1案
KATO製ジョイナーを利用すると、おそらく、レール下首の幅が足りなくて、篠原製レールにはまらない。
篠原製ジョイナーを利用すると、レールの下首はめられるが、レール上下中間幅とレールの下首部分がスカスカなので、固定されないうえ、電気的にも導通しない。
篠原製ジョイナーの、KATO製レール側をラジオペンチでつぶして、接続してみることにする。
3.試作
(1)篠原Code8370PC枕木用道床の制作
KATO製レールと篠原製レールの上首高さを合わせる為に、Code8370PC枕木用道床を手持ちの材料で試作する。
使うのは、手持ちの3.0mm×3.0mmの角材と、加工のしやすさを考えて3.0mmバルサ材を使ってみる。
篠原Code8370PC枕木用道床のレール上首高さは、9.80mm(*3)。
KATOユニトラックのレール上首高さは、9.75mm。
微少な高さの差(0.05mm)があるものの使ったノギスの制度が±0.05mmなので、許容範囲と判断。
(2)ジョイナーの加工
そのまま、単純に篠原製ジョイナーのKATO製レール側をラジオペンチでつぶすと、篠原製レール側のジョイナーも、一緒につぶれてしまうため、篠原製ジョイナーを小加工。
篠原製レールに小加工したジョイナーをはめ、反対側にKATO製レールをはめる。
KATO製レール側のジョイナーをラジオペンチで、潰し、強く締める。
KATO製レール側のジョイナーのレール上下中間部が広がってしまうので、ジョイナーの上下中間部をラジオペンチで丁寧につぶす。
今回は、篠原製レール側に、ジョイナーをハンダ付け。
(3)レイアウトベースへの取り付け
とりあえず、M3のビスとナットで取り付け。
(4)走行試験
複数の車両を、低速・高速で走行させてみる。
車両の走行には、特段の問題は生じなかった。
接続部での、車両通過時のギャップ音が大きい。
試作時の精度が悪かったため、ギャップが大きかったことが原因。
4.結果と課題
(1)結果
- 接続の結果、走行試験も良好。
- ジョイナーの加工とレール上首高さを合わせれば、問題はなさそうなので、この接続方法を基本的に採用する。
(2)課題
- ジョイナーの加工方法については、
- ジョイナーをつぶした際に、篠原製レール側もつぶれ、篠原製レールをジョイナーに差し込むのにかなりの力を要するようになってしまった。
次は、篠原製ジョイナーの幅中心に、糸鋸でジョイナー上部を2/3程度、カットしてみることにする。 - KATO製レール側のジョイナーのレール上下中間部が広がってしまう問題があるので、一考の要あり。
対処方法として、篠原模型製のレール矯正器を入手して、活用してみることとにする。
- ジョイナーをつぶした際に、篠原製レール側もつぶれ、篠原製レールをジョイナーに差し込むのにかなりの力を要するようになってしまった。
- 現在の、レイアウトベースへの取り付け方法では、あまりに見た目が悪い。
さらに、線路中心線の出し方がっ難しい。
このため、レイアウトベースへの取り付け方法については、一考の要あり。 - 今回は、加工が容易なバルサ材を使ったが、インラインを張り付けた際、水分で反りが生じたので、篠原フレキシブルレールの道床用素材には、一考の要あり。
- インライン表現のために、レール内側の枕木をカットしようと思ったもの、素材の反りが発生したので、中止。
構造的にも、枕木をカットした際に、軌間が広がらない自信がないので、一考の要あり。
※2024/10/06:篠原製レールのCode番号に誤りがあったため修正「Code70」⇒「Code83」